花の降る午後に

~宮本輝さんへの手紙~

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【78】『焚火の終わり』宮本 輝著   《上・下卷》

宮 本 輝 さま お元気のことと思います。初めてお便りを差し上げてから、間もなく二年が経ちます。一方的で申し訳ありませんでしたが、だからこそ、気楽に書かせて頂けました。『流転の海』シリーズを残し、多分これが最後の作品です。『焚火の終わり』は、…

【77】『手紙 』宮本 輝著 1995年小学5年国語(上)に掲載

宮 本 輝 さま 芥川賞の選考も終えられ、落ち着いた日常が戻られましたでしょうか。この時期になりますと、阪神淡路大震災の記憶が甦って参ります。あの年に生まれた子達が もう23歳になるのですね。同じように世界大戦を経験された方々もとてもご高齢になら…

【76】『愉楽の 園』    宮 本  輝 著

宮 本 輝さま いかがお過ごしでおられますでしょうか。今日は『愉楽の園』を読みました。どれほどこの物語を愛しているかを、お伝えできる言葉を持たない自分が本当に無念でなりません。元旦にお便り致しました『青が散る』の中にある『自由と潔癖』が、少し…

【75】『草花たちの 静かな誓い』  宮本 輝 著 

宮 本 輝 さま 静かに新年が始まっています。先日テレビの時事公論で、世界に埋められている地雷について報じられました。地雷は、相手を殺さず、残虐に怪我をさせる事により、周りの人間をも恐怖に陥れ、怪我への対処に多勢の他の人の力までも抑え込む、悪…

【74】『青が 散る』宮本 輝 著   《上・下巻》

宮 本 輝 さま 明けましておめでとうございます。いかがお過ごしでおられますか。ご家族で穏やかなお正月を迎えられたことと思います。今年もどうかよろしくお願い致します。今日は、私にとって運命の作品『青が 散る』を読みました。『青が散る』は私が初め…