花の降る午後に

~宮本輝さんへの手紙~

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【51】『星宿海への道』 宮本  輝 著

宮本 輝さま お元気でおられますか。いつも寝るまでの時間はニ階で長編を読み、昼間は隙間を見つけて、短編や別の長編を読んでいます。暖かい風が吹き、不穏なニュースさえ無ければ、気持ちの良い毎日です。今日は『星宿海への道』を読み終わりましたのでお…

【50】『小旗』宮本 輝 著  『星々の悲しみ』に収録

宮本 輝 さま 物憂い春の光が射しますと、他の季節より遠い昔が蘇る気が致します。吹き出したばかりの新芽に命の息吹を感じます。いかがお過ごしでおられますか。春はお父様を亡くされた季節。私も同じ時期に父を見送りました。その日、火葬場への道には細い…

【49-2】『月光の東 』 宮本 輝著 《その二・『美須寿』の未来 》

宮本 輝 さま 桜の木々を見る度、日本の土壌は豊かで、枝の先まで花をつける力があることに驚きを感じております。自宅の横を走る六甲山グリーンベルトには、山桜と山つつじが同時に咲き始めました。横から眺めると、薄桃色のラインがとても綺麗です。今日は…

【49-1】『月光の東』宮 本  輝 著 《その一・塔屋よねか について》

宮本輝さま 桜が満開のこんな時期に、初めてお便りを差し上げてから一年が経ちました。春は物憂く過ぎています。どうしてか『月光の東』を開いてみたくなりました。去年、興福寺に阿修羅像を見に行った時、太陽神とされるその美しさの底に、言い知れない哀し…

【48】『火』宮本 輝 著 『星々の悲しみ』に収録

宮本 輝さま 四月に入りました。気持ちの良い日が続いています。桜の木の枝先が、黒く尖っていたのに、いつの間にか細い枝先が少しづつ丸みを帯び、薄桃色になってゆくのを眺めているこの時期がとても好きです。今年はゆっくり春が来ているようです。今日は…