花の降る午後に

~宮本輝さんへの手紙~

【8】『血の騒ぎを聴け』 宮本輝著

宮本輝さま お変わりございませんか? お忙しい毎日、どうかご自愛くださいますように。 今日は『血の騒ぎを聴け』を読みましたのでお便り致します。 『血が騒ぐ』のは、父母の血脈より来たるもの。 3冊目の随筆集です。 1篇1篇 大切に読ませて頂きました…

【7】『命の器』 宮本輝著

宮本輝さま お変わりなくお過ごしでしょうか? 夏がすぐそこまで来ていますね。 今日は『命の器』を読みましたのでお便り致します。 この本には33篇の随筆が収められています。 題名にもあります『命の器』とはどのようなものなのでしょう。 『 人と人がつな…

【6】『二十歳の火影』 宮本輝著

宮本輝さま お元気でおられますか。 ひと雨ごとに夏が近づいております。 今日は『二十歳の火影』を読みましたのでお便り致します。 『二十歳の火影』は、読み返します度に、まるで小さい頃の宝箱を覗いたように、懐かしい香りが鼻をかすめるような気が致し…

【5】『星々の悲しみ』 宮本輝著

宮本輝さま お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。 雨の日が続きましたが、ここ数日明るい日差しに恵まれています。 光を受けて輝くポピーの写真をお借りできましたのでお届け致します。 まるで地上に降った星々の欠片が色とりどりに咲いているようで…

【4】『幻の光』 宮本輝著 

宮本輝さま お忙しい毎日をお過ごしのご様子、お元気でおられますか。 今日は『幻の光』を読みましたので、お便り致します。 貴方の作品には無駄な語句は、一字もない事を知っています。 何度も読み返して、『幻の光』とはなんだろう… 知りたくて、烈しい衝…

【3】『春の夢』 宮本輝著

宮本輝さま お元気でお過ごしでしょうか。 満開だった桜が散り、季節の移る柔らかい時間を過ごしております。 今日は『春の夢』を読みましたので、お便り致します。 物語は、若い2人の恋のゆくえを追いながら、人が生まれながらにもつ宿命についても考えさせ…

【2】『夜桜』宮本輝著  『幻の光』収録

宮本輝さま お変わりなくお過ごしでしょうか。 今日は『夜桜』を読みましたので、お便り致します。 四分咲きの桜に朝の光が当たると、誰でも佇んで見上げてしまいます。 なんて美しいのだろうと。 けれど、その花びらが顔に舞い落ちると煩わしいような、もう…

【1】『花の降る午後』上・下巻 宮本輝著

宮本輝さま、お元気でおられますか? 『花の降る午後』を読ませて頂きましたので、心に浮かんだことを お便りにしてみます。 神戸北野坂に降る花びらは、やはり桜でありますように。 まだ満開にはなっていないのに、海から吹いてくる風に揺れ、誰かの訪れを…